ブログ

Blog

俳句にこんな季語があります「義士討ち入りの日」

昨日、12月14日は赤穂浪士47名が本所の吉良邸に亡き殿、浅野内匠頭の敵討ちを果たした日でした。
「赤穂浪士」、「四十七士」、「忠臣蔵」と言っても何のことやら解りませんと仰る方が増えてきたようです。
詳しくは、昨日のクマのブログをお読みいただければ嬉しいのですが、
「生き方」、「死に方」を教えてくれているように思います。
これは、現代の我々にも考えることとして、当て嵌るのではないでしょうか。

この時期には忘れてはいけない季語があります。
「義士討ち入りの日」。
長いですが、これで季語です。
元禄15年12月14日、この前テレビでは、12月15日午前3時頃から夜明け前の5時半頃と言っていました。
現代の言い方ですとそうなるのでしょうが、夜明け前は
前日の日付と見做す江戸時代の方が何となくしっくりきます。

雪が深々と降り始めた中、赤穂浪士47名が両国の吉良邸に討ち入ります。
用意周到の2年間。
当初300名ほどいた旧家臣団も、様々な理由で、最終的に47名となり、殿の無念を晴らすためとは言いながら、失敗する危険性が大きかったこの討ち入りに参加する者たちのこころ、そして彼らの命を一身に背負った大石内蔵助義雄(おおいし/くらのすけ/よしお)のこころの内は計り知れません。

軍資金として集めた金も底をついていたと聞きます。
この時期を逃せば、討ち入りはあり得なかったと思われる絶妙のタイミングに、吉良は茶会のために本所松坂の屋敷に久しぶりにやって参ります。

夜茶会のササを飲み過ぎたせいなのでしょうか? 
それとも夜半から降り始めた雪のせいでしょうか? 
あるいは、150名と言う護衛団の多さに安心したからでしょうか?
二千五百坪と言いますからサッカー場程の敷地の広さに討ち入りなどしないと高をくくっていたのでしょうか?
吉良上野介義央(きら/こうずけのすけ/よしひさ)はその夜、ここに泊まり、ぐっすりと寝込んでいます。

夜が明ける寸前になっても、吉良の隠れている
場所を発見できない47士。
流石に夜が明けてしまいますと、吉良の子の上杉家が駆け付けるでしょうし、幕府もタイムアップを宣言しなければならないタイミングで吉良公を見つけます。
そして、武士の本懐を遂げた47士の扱いに苦慮した結果、
幕府は彼らに永遠の命を与えます。 

この生き方、死に方を良い悪いという言葉で
言い表すのは違うと思います。
また、吉良公についても藩の経営に於いて
善政を取ったことを考えれば、吉良公が
浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)を
意地悪から罵倒したとも考えにくいのです。

松の廊下の一瞬が長い時間と多くの人々の生き方を変えたことは事実としてありますが、それに関わった人々のこころの内はいかばかりかと手を合わすしかできません。
 
<時候を表わす色>

   いのちや 平等
     両家に香を手向くは
         義士討ち入りの日 (クマ:お粗末))

仏教においては香を手向けることは、
尊敬、敬意の念を表すことだと思います。
赤穂義士のみならず、吉良公を守らんと
死んでいった名もなき家臣にも、
名誉を遂げ腹を召された義士たちと
同じように香を手向けたいと存じます。
生きていくこととは様々な「変化」を経験していくことだと思います。
そして、その変化の中に自分の本質を見つけ出す、あるいは、創りだすことが重要なのだと思います。
そのために人は、他者と出会うのです。
その他者との出会いによって、変化していくものなのです。

ここで言う他者とは、現代に生きる人のみを指すのではなく、過去に於いて生き切った人たちの物語の中にも、そして架空の物語であってもその中に、実在するものだと思います。

優しい青空の中、四十七士のことを考えながら、雑文となってしまいました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
下記の本に七十二侯に沿って、徒然なるままに文章を書き連ねていますので、書店で手に取ってご覧ください。

追伸:このようなお話を年末近くにFBでライブしようと思います。
ご興味がある方はぜひご参加ください。
詳細は下記からご覧ください。
https://ikiiki-terakoyajyuku.hp.peraichi.com/utukusii-nihon2023?_ga=2.7346107.809276536.1670548389-838401168.1657933402&_gac=1.186070619.1669694824.Cj0KCQiA1ZGcBhCoARIsAGQ0kkppOZfsMxAmEu7BkM8dascJZbDkaDVZ1KWdP57M2wNmwVD97XzVSzIaAmkdEALw_wcB

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ