時代が変化しても、大切なことは何でしょうか?
江戸時代の儒学者に石田梅岩という方がおられました。
時代は奢侈に偏りすぎた元禄期が終わり、享保の改革で庶民の生活に急激な締め付けがきた時代です。
このような時期に生きた梅岩は40代半ばまで商家として働いていましたが、急に店を辞めて、
「人の生き方」について辻説法を始めます。
世の中は、現代と同じでバブルが崩壊した後のぼんやりとした中で、災害や疫病が蔓延していた時代です。
この中で、彼は人間はどのように生きるのかを語り続けました。
なかなか人が集まらなかったそうですが、それでも彼は、「人間は正直に生きること。倹約を本として生きること」を語り続けました。
正直に生きることは何となくわかるのですが、
倹約は理解しにくいのではないでしょうか?
いやわかるよ! 「10年後に家を建てるために今は一所懸命倹約してるんだ」
「旅行で美味しいものを食べたいから、しばらく倹約ね」
こんなふうに言いますが、これらの倹約は自分のために行う倹約です。
梅岩は、多くの門弟ができた時も、彼らから受講料を取らず、惜しげもなく彼の持っている智慧を教えました。
質素なものを着て、質素なものを食べました。
彼の門弟には大商家や大きな藩の侍もいたのですが、彼は何故、こんなに質素な生活を続けたのでしょうか?
これがわかるのは、江戸の大火事になった時でした。
彼は、自分の家にあるもの全てを持って、彼の門弟たちにできるだけの炊き出しと着るもの、そしてお金に困っている人々への支援金を集めてくれるよう頼んで、自ら率先して、人々に施しをしました。
彼が「倹約」を本としたのは、このようにいざという時のためだったのです。
いざという時のために自分のものが三つあれば一つを倹約する。
これを社会への還元と考えたのです。
今日は何故こんな話をしているかというと、つい先日、ご逝去なされた稲盛和夫氏がこの石田梅岩の「正直、倹約」の精神を高く評価して、「利他」の精神を実践された方でした。
我々日本人のものの考え方には、人を活かし、そして自分も活きることを古から伝えてきています。
稲盛氏の御冥福を祈念するとともに、これから先の我々も稲盛氏をお手本として、
次の世代に繋げていくことが大切なのではないでしょうか?
こんな話を含めて、これからの日本人の生き方とあなた自身の生き方について、考えてみませんか?
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クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。