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思い込みーミスコミュニケーション

今日はミスコミュニケーションについて話します。

クライアントのTさんが聞いてきました。

「どうして俺の部下って、一度言ったことが理解できないんですかね」

「どういうことがあったの?」

「相手先の部長から僕に直接、製品の納品先の変更について連絡があったのね。そこで、担当のA君に伝えたんだけど、違うところに配送しちゃったんだよ」

 

「Tさんは、どのようにA君に伝えたんですか?」

「○○商店さんの納品先が、川崎に変わったから手配しておけ、って言いました」

「A君はその時、何て答えたんですか?」

「えっ・・、4月から川崎になるんですかとか言ってたな」

 

「Tさんは今、4月からって不思議そうに仰いましたが、どうしてですか?」

「どうしてって? 僕は今月から納品先が川崎に変更になったと言ったんだから」

「Tさん、A君に配送先を間違ったあとのフォローはされましたか?」

「いやあ、とにかく川崎に送り直すのに必死だったので・・・」

「A君とまだ、話してないのですね。明日、時間をとってA君と話してみていただけますか?」

「はい」

 

そして、次の日、Tさんから携帯に電話が入ってきました。この日は、Tさんのコーチング予定日じゃないんですが。

「クマさん、昨日はA君に対して頭にきてたものだから、ろくに話も聞いてやれなくて」

「実は、さっきA君を呼び出して、昼食を一緒にしたのね」

「それで分かったんだけど。昨日、僕がA君に納品の変更を伝えた時、ちょうど○○商店さんへの納品が済んだ時だったです。○○商店さんの方も部長さんと倉庫長との連絡がうまくとれてなかったらしくてね。前回までの納品先の倉庫で製品を受けとっちゃったのね」

「A君は相手との納品確認のことはTさんには伝えていなかったのですね」

「僕の剣幕に驚いたようで、口を挟めなかったと言ってたよ」

 

<この話の問題点は何でしょう?>

あなたが伝えようと思ったことを相手がどうも違って解釈している。

また、相手が言ったことが、こうだと思って話を進めていたら、なんか全然違う。

 

こんなことはありませんか?

どうしてこんなことが起こるのでしょうか。

 

我々の脳は外部からの情報(刺激)をすべて取り込んで処理するのではないのです。

 

相手が話す言葉、声のトーン、雰囲気や見た目などを取り込む際に、

自分の育った環境、自分の考え、観念を通して、省略、歪曲、一般化が行われ、

その結果、聞きたいことだけを聞き、自分なりの解釈をしているのです。

ですから、上記のような間違いが起こりやすくなります。

 

Tさんの場合は、

1、○○商店さんの都合で急遽、納品先が違ったこと

2、その日が、納品日で、A君はすでに納品の確認が相手倉庫長と済んでいたこと

3、相手商店のミスにもかかわらず、A君が事前に聞きながらのミスと勘違いして怒ってしまったこと

4、その後A君に確認することなく、また、A君に変更の手続きの責任を任さず、Tさん本人が納品の変更をしたこと

 

が一連の出来事です。

 

その結果、A君のTさんに対する信頼感、A君自身のモチベーションに重大な欠落が生じる恐れがあります。きちんとしたフォローが必要です。

 

今回、クマが思ったこと

 

相手の話すことに対して、我々には自分勝手なフィルター(省略、歪曲、一般化、観念)があり、事実とは違うように見えたり、聴こえたりします。

できるだけ、常に真摯な態度で接していたいものです。

 

A君が「4月から川崎になるんですか。」と聞いたとき、Tさんは「なぜ、4月からと言ったの?」と聞いていれば違う話の展開だったですよね。

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。

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