第15候、「虹始見(にじ/はじめて/あらわる)」
おはようございます。
今日も暑くなるのでしょうか?
ちょっと肌寒いが、気持ちの良い日でありますように。
春深し
連山繋ぐ
虹の橋 (クマ:お粗末)
春が深くなってきて、少しずつ、
湿り気が多くなってくるこの頃、
虹が見え始める季節を、
古来の人々は楽しんだのでしょうネ。
七十二候では、第15候、「虹始見(にじ/はじめて/あらわる)」
もしかして、ダイダラボッチは、
虹の橋をハンモックにして、
寝ているかも?
日本では虹と書きますが、中国では
「龍虹」と書くそうです。
蛇と龍は同類ですから、大空にアーチを
描いて横たわる様は似ていますが、
弘法大師空海が雨乞いとして
龍神を勧請したことを観ますと、
龍の方がより雨との関係を感じさせます。
驟雨(しゅうう/にわか雨のこと)の後、
晴れ渡った空に虹がどんどん伸びていく。
とても素適な瞬間です。
このような気候ですが、この時期には
急な雷雨が起こることがあります。
雷さまは怖いし、雨は嫌だし。
だけど、その後に、虹が見られるのならば、
ちょっとの間、我慢しましょ。
また、雨が降る季節だから嫌だと
思うのではなく、花や木々が
恵みの雨を喜ぶと考え、
また、空に大きく張る七色の虹を
こころ豊かに感じると楽しくなりますものネ。
と、きれいに終ろうと思ったのですが、
この季節どうしても美味しいものがいっぱいデスネ!
そろそろ、飛魚の美味しくなる季節です。
海を滑空する飛魚は見たことありませんが、
時速70kmで300mも飛ぶそうです。
刺身もいいですし、九州でアゴと
呼ばれる出汁がこれまた絶品です。
飛ぶ姿は美しいだろうなと思いながら、
一方では、今日、帰りに
なじみの魚屋に寄ってみようなんて、
ちょいと食いしん坊なクマなのです。
そうそう、「草蘇鉄」ってご存知ですか?
くさそてつと読んでしまうと何のことか
解らないでしょうが、「こごみ」と言えばお解りでしょ。
わらびと似たこごみですが、あくが少ないため
調理しやすく、塩茹でにすると美味しいですよネ。
草蘇鉄吹く
春山よりの
おすそ分け (クマ:お粗末)
目次
<時候を表わす季語>
暖かな陽を全身に浴びて、
大地からゆらゆらと「陽炎(かげろう)」が
立ち上ります。
この陽炎も素適な季語ですネ。
同じ読み方をしますが違う字を
当てる「野馬」なども面白い表現です。
前候では、「菜の花」に始まり、
「山吹」で終わりましたから、
この候では、「藤の花」、「藤棚」、
「藤波」と言ったうす紫色の藤を
季語として挙げましょう。
黄色から藤色への色彩変化は
われわれのこころにどのような
変化をもたらすのでしょうか?
日本舞踊の代表的な踊りに「藤娘」が
ありますが、この踊りは、若い可憐な娘が踊ってこそ
可憐ながら優雅な感じをわれわれに
与えてくれるでしょう。
さらに、女性にはこれからの日射し対策として
「春日傘(はるひがさ)」と言う季語も
ご用意いたしております。
いそいそと
春のパラソル
選ぶ妻 (クマ:お粗末)
クマ女は久しぶりにクマとお出かけなのデス。
でもネ、今朝の天気予報では、春の日射しが
強いので注意を促していました。
さっそくに、クマ女は楽しそうに
「ねえ、どれがイイ?」って、何本も
持っている日傘と衣服選びに夢中です。
女性とは、不思議な種族です。
<時候を表わす色>
桜の花びらが空に舞い、
桃の花が濃く色づいて見える候です。
この候を代表する色は、
「桃色(ももいろ)」でしょう。
古いお寺を尋ねて見られると、瓦に桃を
かたどった瓦に気づかれることが
あるのではないでしょうか?
桃は長寿を表わす象徴として、
魔除けの意味をも持ったのでしょう。
女性の皆さまには、馴染み深く、
好きな方が多い色だと思います。
また、この桃色をもう少し
紫がかった色にしますと、
「躑躅色(つつじいろ)」となります。
桃と同じ時期に咲きますが、
この色も所謂、ピンク色の一種でしょう。
さらに色を濃くしますと、
「桜桃色(おうとういろ)」となります。
桜桃とは、サクランボのことを
指しますので、あの山形のサクランボの色を
思い出していただければ解るのではないでしょうか。
「春は、チェリーピンクよ!!」と仰る
女性が紫式部の平安時代から現代まで。
多くの女性のあくがれの色なのデス。
今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。