あなたは雉が鳴くのを聞いたことがありますか?
おはようございます。
今日は小落ち(コーチ)ブログとします。
第六十九候、「雉始雊(きじ/はじめて/なく)」です。
小さい頃、田舎ではよく雉を見かけたものです。
動物界では当然のことですが、オスが身体も大きく、
そして美しいのです。
全体が美しい緑色で、頭部に青緑の羽毛、
目の周りは真っ赤。
背中に茶褐色の斑点模様。
すごく綺麗でした。
大きさは50㎝から80㎝ほどですから、
けっこう大きいのですが、
臆病なのか?
われわれの顔を見ますと、ダットのごとく、
逃げ去ります。
地を滑るように走り去って行きます。
このような様子から、矢が放たれるように
素早いとされ、キジの漢字に矢がついているとか。
また、オスの鳴き声は「ケーン、ケーン」と聞こえます。
「雉も鳴かずば撃たれまい。」とのことわざがあるように、
すぐに雉がいると解ってしまいます。
これは、母衣打(ほろう)ちと言う羽を広げる威嚇行動、
あるいは求愛行動と言われるものとともに、
冬の風物詩だったものです。
今では、こんなことを知っている人も少なくなった
のではないでしょうか?
そうそう、キジ肉はずいぶん古くから食用とされてきたのですが、
皆さんは食べたことがありますか?
現代でも、フランス料理では、ジビエとしての
食材価値は高いですよネ。
ところで、日本全国に分布している雉は食用と
されていながら国鳥でもあるんです。
日本国の鳥として認定されたのが、昭和22年だ
ということですが、国鳥を食用にしている国は
わが国だけではないでしょうか?
因みに、国鳥に指定された理由の一つに、
メスは母性愛が強く、ヒナを連れて歩く姿が
家族の和を表していると言われていますが、
今の日本人は雉に笑われないようにしないと
いけないですヨネ。
それと、この雉。
なんと、人体で感知できないほどの地震の初期微動を
感知するんですと。
雉が「ケーン、ケーン」と鳴いたら、地震がくるかも。
注意。注意。
<時候を表わす季語>
元旦からはや2週間ほど経ちましたが、
旧暦では、1月15日が正月でした。
旧暦とは月の満ち欠けが日の進行を表す基準なので、
15日は満月で、ここをまさにその年の変わりとして
正月と呼んでいました。
今は、太陽暦なので、現在の正月を大正月(おおしょうがつ)、
1月15日を「小正月(こしょうがつ)」と呼び変えました。
あるいは、満月を望月と言いましたので、
「望正月(もちしょうがつ)」、「望年(もちどし)」
とも言います。
嘗ては時間の流れが暦だったので、1年の豊作を祈り、
小枝に小さくちぎった餅をいっぱい付け、花が咲いた
ように飾った記憶があります。
これを「餅花(もちばな)」と言いました。
この餅花を神社の境内で三本の青竹を組んで
昨年一年をお守りいただいたお札や、正月飾りを
焚き上げる「左義長(さぎちょう)」と言う小正月の祭り
の火にかざして炙り、食べると一年息災に暮らせると
教わったものでした。
青竹を火で燃やすのですから、青竹の油が弾け、
パチパチ、ドーン、ドーンと大きな音がでたので、
クマの地方では「どんと焼き」などとも言いました。
<時候を表わす色>
正月も終わり、落ち着いた普通の生活が始まりました。
しかし、何となくまだまだ、お正月疲れが
残っているのではないでしょうか?
そのように妻にも見えたのでしょうか?
「お抹茶でも飲む?」と一階のお茶室で
お茶を点ててくれました。
今年1年、やるべきこともしっかりとイメージができ、
落ち着いた気持だったからでしょうか、
お釜のしゅんしゅんと言う音が耳に優しく、
妻のお点前の一つ一つひとつが凛として、
清々しさを感じます。
ようやく動き始めると決めて、いただくお服は
何と甘露なのでしょう。
お抹茶の色がとても鮮烈に見えます。
「抹茶色(まっちゃいろ)」。
柔らかな黄緑色と言えばよいでしょうか。
現代では抹茶ベースの和菓子だけではなく、
ケーキやアイスクリームにも抹茶が
使われるようになっていますヨネ。
色を思い浮かべて、食欲に変更する
食いしん坊のクマです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
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