「冬至」です、寒いです!
おはようございます。
今日の「冬至(とうじ)」は、柚子湯に入ってあったまりますか?
「冬至」は、1年で1番昼の時間が短く、夜の時間が長い日です。
冬至を過ぎれば、少しずつ昼の時間が長くなっていきます。
と言うことは、昨日を境に新しいサイクルに入ったのです。
よし、再来るではなく、新しいことにチャレンジしよう
なんて思っています。
(って、やっぱし、ダジャレか? なんて言わないで)。
閑話休題、めげずに気を取り直して!
七十二候では、「乃東生(なつかれくさ/しょうず)」です。
「靫草(うつぼくさ)」をご存知でしょうか。
この花の形が弓矢の時代に、矢を入れる道具の「靫」に
似ているから「うつぼくさ」と付けられたんです。
この草は変わっていて、他の花は枯れてしまうこの季節に、
この草は芽を吹き始めます。
そのかわりに、夏になると花が枯れてしまうので、
「夏枯草(なつかれくさ)(あるいは、「かこそう」)
あるいは、「乃東(だいとう)」と呼ばれます。
この草の芽が吹くのを見た昔の人は、
真冬の中に春への希望を感じたのではないでしょうか?
生きとし生けるもの全てが、変化の中で動いています。
鉱物である石さえも、我々の時間の流れとは違いますが、
やはり変化していくのです。
石も、我々の単位で何千年という時間を
一刹那として活きているのかも知れません。
冬至を越えた日が、1年の中でも、
1番変化する日なのかも知れませんネ。
あなた自身にとっても。
<時候を表わす季語>
変化をする時期ともなれば、滅多なことでは
慌てない、走らないお坊様が檀家を巡って、
「むにゃむにゃ」とお経を読み、
掛け持ちで順序良く回らないと日が暮れて
しまうとばかり、お走りになられる時期です。
だから、季語にも「師走(しわす)」。
面白い月の呼び方です。
変化の著しさを端的に表したのでしょうか、
この月は他の月が自然界の変化を表現して
いるのに対して、人間的な響きがする言葉です。
もう一つ、「師」が入った季語があります。
あなたも好きでしょう、クマも大好きです。
クマは何せ富山生まれですモノ。
「鰤(ぶり)」。
どうです、美味そうな季語でしょ。
冬の魚と言えば、富山は氷見の寒ブリ。
これに尽きます。
「鰤起こし」と言う12月の20日過ぎに鳴りわたる雷に鰤が
「おおっ、もうこんな時期ながケ! 急がんな、アカンガイネ」と
走り、氷見の海にやって参ります。
(なんせ、富山の鰤ですから、富山弁でござります。)
氷見の寒ブリは、6キロを超えた
天然物だけを指しますが、この脂の旨いこと。
脂が強くて包丁で3、4切れも引けば包丁が使えなくなります。
しかし、この脂は上品な甘さがあり、
刺身でいくらでもいけますが、
ちょいと脂を控えめにしなければならない方には、
しゃぶしゃぶ。これは比較的新しい食べ方ですが
なかなかのものです。
とどめはやはり、醬油で漬け込んだ照り焼きでしょう。
これがあればササが何杯もいただけますヨ。
さて、とどめと言いましたが、このぶりは
所謂、出世魚と言います。
ワカシ、イナダ、ワラサ、ハマチ、ブリと
大きくなるにつれて呼び名が変わって参ります。
やはり、変化が重要と言うことで季語に
ついてはこのへんにしましょ。
<時候を表わす色>
もう何年前でしょうか?
大河ドラマ「直虎」の中で、直虎の息子となり、
井伊家を隆盛させる直政の武具の色が
なんとも勇ましく、美しく見えました。
赤揃えの赤色。
日の本ではこの赤が非常に好まれ、
戦国時代に南蛮渡来と言われる
羅紗(らしゃ)や天鵞絨(びろーど)に見える
鮮やかな赤を「猩々緋(しょうじょうひ)」と言います。
能『猩々』にも出てくる猿に似た架空の霊獣の
血の色とも謂われる鮮やかな赤色です。
この色は、もともとは、樹木に付く貝殻虫を原料とした
生臙脂、あるいは植物の紅花を原料とする正臙脂と
言われる濃い赤色である「臙脂(えんじ)」を
鮮やかな赤にしたものです。
この赤色に情熱を感じませんか?
素敵な色です。
今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
このようなお話を一昨年、本にしました。
是非、お読みいただければ幸いです。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
追記:
上記のお話をベースとして、「日本を観るー季語と色で知る七十二候」と題して、
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