二十四節気「大雪(たいせつ)」 七十二候「閉塞成冬(そらさむく/ふゆとなる)」
朝、六時半ば、ようようとなり、
黒きシルエットに 紫の光差し、
刻過ぐ刹那、 白無垢の
羽織に変えたる 富士のやま。
寒さあまり
コートの襟立て
歩を進むれば
さくさくと霜柱の鳴る
(クマ:お粗末)
これは、今朝、家を出たときの風景です。
今日は身体の芯までゾクッと寒かったです。
なんせ、最低気温が3度、最高気温が5度のところもあります。
寒いはずです。
さて、二十四節気では、「大雪(たいせつ)」。
七十二候は、「閉塞成冬(そらさむく/ふゆとなる)」。
どちらも解りやすい言葉です。
さあ、本格的な冬の始まりです。
塞とは、砦とか戸と言う意味に採ってください。
冬の寒さが自分たちの住んでいるところに入り込まないように、戸をしっかりと閉じる。
また、村に風邪や病気が入り込まないよう天と地を閉じて塞ぐと言う意味です。
つまり、天と地を閉じて冷たい風を塞ぐと言うことです。
閉塞と書いて、そらさむしと言葉を綴ります。
日本語の漢字と仮名の持つフィーリングがカンジイイ(感じいい)ですヨネ。
昔、村の入り口に道祖神が立っていましたが、皆さんは見たことがありますか?
この道祖神のことを「塞(さえ)の神」と言いました。
道祖神様が村に冷たい空気、邪悪なものが入り込まないように遮ってくれていたんですね。
今、あなたの街を守ってくれている神様はどんな神様でしょうか?
山々が雪に覆われる季節。
クマはそろそろ冬眠の準備です。
閑話休題、
今日は寒いながら、良い天気です。
こんな日は、田舎の富山では、渋柿を軒に吊るし、干し柿を作ります。
この寒さが、柿の渋さを甘さに変えてくれるんでしょうネ。
クマも渋みを色々な経験を積むことで、甘くニコヤカに成りたいものです。
村角(むらかど)に 立つ塞(さえ)の神
跪(ひざまず)く子の小さき手に
赤き南天の実(クマ:お粗末)
この子の母が風邪でもひいてしまったのでしょうか?
道祖神様に一心に母様の身体が良くなるように真っ赤に染まった手を合わせ、祈る娘。
その小さな手にしっかりと、南天の実が握りしめられています。
誰かから、南天は難を転じると教えられたのでしょうか?
目次
<時候を表わす季語>
東京にいますと、まったく忘れているのですが、田舎の富山では、
もう「雪囲(ゆきがこ)い」が終わっているのではないでしょうか?
田舎にいたときは毎年の雪囲いの準備が大変で、
でもこれをきちんとやっておかなければ雪が降ってからでは
玄関も開かなくなり、寒さも防げないのでやらねばと
小さいながらも手伝った記憶があります。
東京に来てからは、大変さも忘れて、雪囲いが素適だななんて
テレビで映っているのを見たときなんか思ったりします。
クマは都会っ子になってしまったガヤチャ。
しかしながら、季語としてみる雪囲いと言う
漢字(感じ)は何とも暖かく、
憧れすらもイメージさせる言葉です。
<時候を表わす色>
日の本は、山富(やまと)の国です。
国の66%が森林であり、その森林から新鮮な空気や美味しい水、
豊富な山菜、そして、滋味深い山の贈り物が海に流れ込み、
美味しい海の産物をわれわれに贈り物としてくれています。
山がくれた色はたくさんありますが、こんな色があります。
神社仏閣では檜の皮で屋根を葺きました。
この樹皮の色から「檜皮色(ひわだいろ)」と言う
黒味がかった茶色が平安時代頃に出て参ります。
今でも檜は非常に効果なものですが、当時はそれこそ、
貴族しか使うことのできないものだったでしょう。
出雲大社の屋根はこの檜皮で葺いてあります。
また、江戸時代になりますと、山桜である樺桜(かばざくら)の樹皮から
江戸っ子好みの茶系で「樺色(かばいろ)」と言う色を作り出します。
これを使った工芸品として秋田は角館の樺細工は有名ですヨネ。
今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
*こんな寒い日には、読書なんざいいんじゃありませんか?