「欲求」とは?
おはようございます。
今日は「欲求」について、お話します。
クマのクライアントになりたいとお出でになる方の中に、
たまにですが、自分は能力がある、他の奴とは違うと
明らかに身体全体で主張している方がおられます。
能力があることは素晴らしいことです。
しかし彼が言う能力も、無人島ではなんの役にも
立たないことが多くないでしょうか?
また、彼一人でそれを製品にして、お客様に
満足したと言ってもらえるでしょうか?
彼が言う能力、例えば、専門的な知識を多く持っていると
いうことについて考えて見ましょう。
目次
知識と社会貢献
結論から言いますと、知識を持っているだけでは
何にもなりません。
彼が知識を周りに伝えて共有し、
全員が知識を持つことで、
更に新たな考えが生まれる。
彼の知識を基に、製品を作り出し、
社会貢献に役立てる。
彼が他者に知識を伝えることで、
彼へのフィードバックが
起こり新たな知識が彼に流れ込む。
こう見てきますと、彼が他者へ働きかけをすることが
全ての条件となっていますよね。
彼が自分で知識をどんなに持っていると威張っていようが、
それだけでは何にもならないのです。
マズローの欲求5段階は、ご存知の方が多いでしょう。
原初的欲求から、
1、生理的欲求
2、安全の欲求
3、所属欲求
4、自我への欲求
5、自己実現欲求
この5つに分けられていますよね。
彼は、どうも所属の欲求を十分に充足しないまま、
自我の欲求を考えているように見えます。
あなたの周りにもこのような方がいませんか?
例えば、知識を数式化したとき、
クマ流では下の式で考えています。
知識 + (自分の中での咀嚼(他の知識との組み合わせ)
+ 他者の知識との融合) = 知恵(社会への普及、貢献)
知識を得た時に、自分の中で咀嚼し、
また他者への共有で新たなものを作り出す、
新たなことを生み出すことをわれわれは
イノベーションと呼んでいるですよね。
健全な成長過程の中で、集団への帰属欲求が先で、
その中で自分を認めてもらいたいという自我欲求が
芽生えてくるというのが、マズローの成長過程です。
クマも同様に考えます。
このことは、われわれの脳を見ても理解できるのではないでしょうか。
人間の脳が、脳幹、旧皮質、新皮質から成り立っている
ことを小学校で習いましたよね。
脳幹は、生命維持を司る器官です。
例えば、心臓が考えられるでしょう。
この器官はどんな状況においても休んだことはありません。
また、あなたの意思に関わりなく、
あなたが死ぬまで血液を送り続けます。
旧皮質について
次に、旧皮質です。
この皮質は、動物としての原初的欲求を司る器官です。
これはマズローが言うところの生理的欲求、
安全の欲求に該当する部分です。
生命維持に関わることとして、食べる、眠る、
性欲、群れると言う欲求です。
どの要素も必要不可欠なのですが、食べる、眠る、性欲は
直接的で解りやすいと思いますが、群れると言うことに
関しては生命維持とは少し遠いと考える方が
いらっしゃるのではないでしょうか?
このように考えてみましょうか?
今は周りに人がいることが当たり前でしょうが、
人類の起源において、人間は牙を持たず、
鋭い爪を持たず、弱い生き物でした。
その状態においては、種の保存のために群れを見つけること、
その群れに入ることが何よりも大切だったのはないでしょうか?
この群れがあって始めて、性欲も満たすことができます。
新皮質について
3つ目の脳が、新皮質です。
ここでは、喜び、悲しみ、夢、希望や創造と言った
『こころ』の部分を司っています。
生理的欲求 → 安全の欲求 → 所属の欲求 → 自我の欲求
へと、下の欲求を充足することで、より高次の欲求へと進んで行きます。
ここで大切なことは、前次の欲求が満たされていなければ、
次の高次の欲求を充足させたと思っても、何か不安感が残り、
大きなストレスを抱えやすくなるということです。
現代は、他者とのコミュニケーションが
取りにくくなっていると言われます。
このような状態で、いくら会社での地位が上がっても、
いくら収入が増えても、所属の欲求という段階で
集団社会への帰属が果たされていなければ、
孤独感を常に抱えることになるのではないでしょうか。
われわれの脳の重層構造が、脳幹 → 旧皮質 → 新皮質 という
順番になっているのは、この順番でそれぞれの欲求を
満たせということではないでしょうか?
今日は欲求についてお話ししました。
これも「コーチング」を話すときに
重要な考え方です。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。