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腐草為蛍(くされたるくさ/ほたるとなる)

おはようございます。
今日は青空。
やっぱり晴れると気持ちいいですね。

でも梅雨の時期です。
七十二候でも、じめじめとした感じが漂う呼び名の候となります。

「腐草為蛍(くされたる/くさ/ほたるとなる)」。
いかがですか?
なんとはなくジメジメとして草いきれでむせ返る

イメージが湧いてきませんか?

梅雨の感じが益々深まってくるこの頃、
湿度が多くなり、気温も上がってきますと、
草々が匂い立って蒸れた様になってきます。
ムンムンとした草いきれを感じる時期となってきます。
そして、6月中旬にもなりますと、各地で「蛍狩り」が始まります。

この2つの出来事が相まって、
この候の呼び名ができたのでしょう。

むせ返るような草いきれの中で、蛍が成長し、
青白い光を発し始める頃と言う意味です。
この様子が、草々が蒸れて、腐った後から、
まるで蛍が生まれ、飛び出てくるかのように
観えたのでしょうネ。

皆さんは、このような情景に出合ったことはありますか?
クマがまだ可愛いテディベアだった頃、
田舎では蛍が多く生息していました。
この蛍たちの光がなんと目に優しく、
柔らかで和んだことを思い出します。
もう一度あの情景を観たいなァ・・・、

なんてノスタルジアですかネ?

子に追われながらも

優しや 青き蛍火

蛍火を追うて 燥ぐ 子らの目に

       優しき青き火の 宿るを見る

(クマ:お粗末)

 

蛍を追いかけていた頃、我々と遊ぶかのように、
目の前にツイッと止まり、フワッと手の先から
こぼれ逃げる蛍。
優雅さと、和みを閉じ込めたかのような青い光。
原子の青き鋭い光ではなく、優雅さと和みを持つ光。
我々の子らにもこのような情景を見せたいなァ。
単なる憧憬ではなく、明確な情景を生みだしたいナア。

<時候を表わす季語>

「蛍(ほたる)」をおいてはこの季節の季語をお話できないでしょう。
真っ暗やみの川面にツイーと光の帯が幾筋も交わう。

蛍の種類には、大きい「源氏蛍」と
ちょっと小さい「平家蛍」があり、
源平合戦をしているかのように観える
からか、「蛍合戦(ほたるかっせん)」と
言う季語まであるのです。

まあ、実際には、この2種の住み場所が違いますので、
この戦のように観える風景は、オスがメスを誘う
恋の駆け引きと言ったところのようです。

この時期、梅雨ですが、丁度、梅の実が成る頃だからでしょう。
この頃の梅は最初、青く固いのですが、
この様を「青梅(あおうめ)」、
そして、「梅の実」と言う季語となります。

<時候を表わす色>

日も暮れ、川面の端にいる人影が暗闇に
溶け込んで参りますと、ポッ、ポッと
何かが灯るように光り始めました。
あちらこちらに優しい光が点滅して参ります。
蛍の光の優しさをより一層引き立たせる闇。
闇と言っても月の光もありますので、
色で言えば、「群青(ぐんじょう)」でしょうか?

それよりも青の深い「紺青(こんじょう)」でしょうか?
深い紫味がかった青色である群青は、
古の岩絵具としての顔料として使われてきた貴重な色です。

また、紺青は、飛鳥の建築物にも使われ、
「金青」、「空青」とも言われた日本人の
好む色の一つと言えましょう。

このような日、皆さんにはどのようにお過ごしでしょうか?

雨が降っていれば、雨を楽しみ、晴れていれば、晴れを喜ぶ。
性向有毒(晴耕雨読?)なクマでした。

 

追伸:

このような話を、セミナーにしました。
まずは、6月12日(土)13:30〜15:00
Zoom体験会で「季語と色で知る七十二候」について
お話ししますので、ぜひおいでください。

下記をクリックして、お申し込みください。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)

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