物質の状態の変化ー凝固、融解、昇華
先日、zoom勉強会においでいただいた方々、
ちょっと間が空いてみて、今、こころに残っていることは何でしょうか?
それぞれの方に、何か一つづつでもプレゼントができていればとても嬉しいです。
その時に言いましたが、それぞれが「自分の軸」を明確にすることがますます
重要になってきています。
そのためには、自分一人で自分の軸を強化するのではなく、
他者との「絆」を結び、一緒に成長していくことがこれからの時代には大切なことです。
一緒に一歩いっぽ進んでいきましょう。
さて今日はこんなお話をお届けします。
「滴水滴凍(てきすい/てきとう)」と言う
言葉が『碧巌録』にあります。
目次
物質の状態の変化ー凝固、融解、昇華
軒下につららが何本も伸びています。
これからの時期、雪国の人には馴染みのある光景です。
小さい頃、このつららの下で、口を開け、
一滴の水が滴り落ちてくるのを
ずっと待っていました。
でもね、何の拍子なんでしょう?
何滴に一滴か落ちてこないことがあるのです。
よく見ていますと、一滴の水が今まさに落ちようとするとき、
一瞬で凍ってつららが少し伸びるんですネ。
いったいどこまでが水で、どこからが氷なのか
すごく不思議だったものです。
水は液体、氷は固体。
中学校の頃、物質の状態には3態あると教わりました。
固体、液体、気体。
そしてこの状態が変化することを、
凝固、融解、昇華と習った記憶があります。
液体である水が、氷と言う固体に変わることを
凝固と言いました。
これは何が変わったのでしょう?
水と言う分子構造が緩やかな状態から、温度変化により、
分子構造がより密接になったことで、
形が安定して、
固定化したものが氷ですから、何かほかの分子が加わって
氷になった訳ではないですヨネ。
われわれは変化したと言うと何かが加わった、
あるいは無くなったと考えがちです。
一滴の水が、忽ちに氷に変わる。
ここには、何も外から加わったものはありません。
ここには、何も無くなったものはありません。
ただ、そのままに変化するのです。
地球も同じ変化をします
このような変化を地球と言う大きな循環で考えますと、
次のことが言えると思います。
われわれを生んだ海の水が、太陽の熱に温められ
蒸発して、雲になる。
雲は地球全体に流れ、水分を欲している
大地に雨を降らせる。
雨は大地にある植物の種に生命の水を与える。
生命の水をいただいた種は根を大きく張り、
葉を伸ばし、実を成らす。
植物はわれわれ動物にとって最も必要な
酸素を供給してくれる。
また、その葉や実をいただいたわれわれ
動物は養分を草木に与える。
養分を多く湛えた大地は川を通して
海に養分をいきわたらせる。
この大いなる循環により、地球そのものの
サイクルが繰り返されているんです。
滴水滴凍と言う小さな事柄から、
地球全体の循環まで、
すべてのことにここまでがこれ、
ここからがそれと言う
断絶はないのだと思います。
人間社会も物質から出来ています
われわれ人間社会も同じです。
氷の固まりがいつのまにか水に変化する融解が、
人間の世界では、凝りに凝り固まった個体が、
周りの皆と仲良く溶け合うことで、
同じような変化を遂げます。
これを私は愉快と呼んでいます。
大きな変化です。
また、一滴の水が、落ちようとする刹那、
そのままにして、氷と言う固定化した実体を持つ。
このことを考えますと、われわれも常に
水のようにしなやかな発想を持ち、
決心をしたときは氷のように確固たる
芯を持って行動を起こす。
そうなるために、こころに豊かな水を溜めるよう
精進してゆきたいものです。