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二十四節気「処暑(しょしょ)、七十二候、第40候「綿柎開(わたのはなしべひらく)」

おはようございます。
暑くなりそうですが、風に爽やかさが纒う良い朝です。

二十四節気「処暑(しょしょ)。

そして、七十二候、第40候「綿柎開(わたのはなしべひらく)」

柎(はなしべ)とは、花のガクのことですが、

このガクが開き始め、固い殻の中から、

真っ白な綿が出てきます。

この綿を紡いで糸として、木綿の着物を作る。
このような情景も見なくなって久しくなりました。

何も日本の古い文化に憧れ、あるいは拘りを持っている訳

ではないのですが、日本の今の教育界を観ていて、英語が

栄語(良い言葉?)などと言い過ぎるきらいがあるように思います。

 

他国に行きますと、かならず日本の文化について訊かれます。
これを外国人が日本に興味を持っているからだと
皆様が思われているのならば、少し違うように思います。

 

クマも何年か外国に住んでいたことがありますが、
その国の人は実に、自国の歴史、文化を知っていました。
そして、その文化を誇りに思う人が多いと感じました。

自分のアイデンティティをきちんと持つことが、

自律の基本です。
そして、このアイデンティティは、

その国の歴史、文化の中で育ったプロセスによって

成立するものですから、

 

当然の帰結として、歴史、文化を

人に語ることができるのでしょう。

 

わが国はいかがでしょう?
文科省がグローバル化に英語が重要な要素と考えるのは
良いのですが、その英語を使って何を語るのでしょうか?
英語を学べば、他国の人とコミュニケーションをとることができる?
本当ですかネ?
話すべき内容を培わないで何が語れるのでしょうか?

 

かつて、『天心』と言う映画の試写会を主催しました。
主人公は、岡倉天心と言う、今から100年前に

亡くなった日本人です。
彼は、時の文部省に入省し、西洋一辺倒に傾いた
時代に警鐘を鳴らし続けた人物です。

皆さんは、日本画家としての、横山大観、下村観山、

菱田春草、木村武山をご存知の方が多いと思います。
この彼らから、先生と慕われた天心は、日本画の復興者
としての位置づけが大きいのですが、思想家としての
面も忘れてはいけないと思います。

また、彼によって英語で書かれた『茶の本』が、
日本の茶道のみならず、日本の文化の本質を
世界に知らしめた功績は大なるものと思います。
この天心が、現在の日本の在り方を見たら、
何と言うでしょうか?

 

われわれは、もう一度、日本人たるアイデンティティの本質を
日本文化に見出す時期に来ているのではないでしょうか。
何か、話がズレテいますネ。
クマのはなしべは開かないでズレタだけでしたネ。

<時候を表わす季語>

二十四節気では、「処暑(しょしょ)」。

季節上では暑さもそろそろ収まる頃です。
やれやれ一安心なぞと悠長に構えている訳には

参りません。
台風の季節がやってきます。

この台風は農作物を台無しにするかも知れません。

 

今もそうですが、昔の人にとっては大変

怖いものだったに違いありません。

 

ザワザワ、ヒュウヒュウ、遥か彼方から聞えてくる風の叫び声。

野原を一直線になぎ倒しながら攻めよってくる恐怖。

 

この恐怖を運んでくる台風を

「野分(のわ)け」と表現しました。

 

同じ意味合いで「二百十日(にひゃくとおか)」も

季語となります。
立春から数えて210日、この頃によく台風が来て、

早稲の花が開くのを妨げることが多く、
農家がこの日の備えを怠らないように

するためにも大切な季語です。

 

また、先程の早稲の花を「稲の花」と
言う季語にも読みます。
風は天敵と言いましたが、実はこの稲の花は、

風媒花と言われるものです。
風によっておしべから花粉がめしべへと運ばれ、

籾ができ、稲に実がなります。

 

この稲の花を見た方はもう少ないでしょうネ。
小さく目立たないのですが、青々とした

田圃全体に黄色みがかってくれば、

受粉が行なわれているのです。
自然の摂理は素晴らしいものです。

<時候を表わす色>

この頃から咲き始めて秋が深まり霜の降りる季節と

なっても凛として咲いている花があります。

 

明るい青紫色の竜胆の花です。

あれほどまでに紫を嫌いであったはずの

清少納言が、『枕草子』の中で、
「竜胆は枝さしなどむつかしげなれど、異花などのみな

霜かれたれど、いとはなやかなる色合いにて

さし出たるいとおかし。」
と言っています。

 

竜胆は茎がすぐに倒れてしまい、枝ぶりはうっとおしいが
他の花が枯れてしまう霜が降りる頃にも華やかに咲いている
ことが、なんとも面白いと言っているのです。
もう平安時代からこの紫色の竜胆は好まれていたのですネ。

 

さて、この竜胆の色を「竜胆色(りんどういろ)」と言います。
また、色ではないのですが、この竜胆を「りゅうたん」と

呼びますと健胃薬として漢方薬として有名です。
ただ、苦いのなんの。
胃液とこの竜胆の根っ子から採れるりゅうたんの

どちらが苦いのでしょうネ。

 

今日も一日、元気で活きましょ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。

 

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