フィードバックはよくご存知でしょうが、フィードフォワードは知っていますか?
フィード・バックという言葉はよく聞くでしょう。
次のような例え話から始めましょう。
砲兵が標的を狙って1発目の大砲を撃ちます。
着弾点を双眼鏡で見ていた指揮官が砲兵に声をかけます。
「着弾地点、左15度。距離200メートル手前」
これを聞いた砲兵は、標点を右に15度、大砲の角度を何度か上げます。
そして、2発目の大砲を撃ちます。
今度は、ちょっと遠くに落ちたようです。
「着弾地点、方位そのまま。距離100メートル奥!」
砲兵は、大砲の角度を2度だけ下げ、3発目を撃ちました。
見事に、標的に命中しました。
① 目標地点と現時点での相手の位置の差を明確にすること。
② その差をメジャーラブル(測定可能)な方法で相手に伝える。
③ その差が周囲に与える影響を事実に基づいて相手に伝える。
④ このフィードバックによって、その方自身が気づき、行動が変化する。
実際に起きたことと目的と現在の位置を修正しながら、
目的に近づく方法と言えますよネ。
現在位置はあまり変化しないものと考える方が多いです。
次に、フィード・フォワードです。
会社のトップと彼が信頼しているNo2の会話です。
「Sさん、私はあなたに2年後には会社を引き継いでもらいたいと考えている」
「ついては、今後、私があなたにしてあげれることは何だろうか?」
「私には、社長のような他業種との交流があまりありません。」
「うん、他には?」
「この業界で生き残るためには、もう一つ新しい商品が必要だと思います。」
「なるほど。Sさんはまず、どちらから始めたいのかな?」
「私は、新しい商品を考えるためにも、他業種を知ることが先だと考えます。」
「そうですか。それではSさんにアドバイスとして次のことを教えましょう。」
「まず、これから3か月間、私に同行してください。私が知己としている他業種の社長たちに会わせましょう。私も先代から教えていただいたことですが、できるだけ異なる業種がよいと思います。意外かもしれませんが、我々から遠い業種からこれはと思うヒントをいただけるものです」
「それから、1度は私が紹介しますが、2度目からはあなたと先方の関係をあなた自身で深めてください。これが後々の力になります」
「ありがとうございます。もう一つお教えいただければ有り難いのですが、他にアドバイスをいただけないでしょうか?」
「そうですね、他業種の社長たちと深く関係を発展させていったら、その次は、あなたが信頼する部下を選び同行させなさい。もう今日からあなたは、あなたの次の社長を育てていかなければならないのですよ」
「ご教示、ありがとうございます。今、社長が仰ったことをしっかりと胸に留め、今から行動してまいりますので、なにとぞ更なるご鞭撻をお願いいたします」
ちょっと、熱が入りすぎて、よい例え話ではないかもしれません。
フィード・フォワードについて纏めますと次のステップとなります。
① これから未来に対して、自分を向上させるために、変えたい行動を自分で一つ選択します。
② この目的を信頼できる人(メンター)に説明する。
③ 目的を達成するために、これから先、役立ちそうな提案を②の人に2つしてもらう。
④ この提案を自分の中で咀嚼する。
⑤ 自分の行動をこの先、フォローアップしてもらう。
このフィード・フォワードは、内発的な動機を強く持つために、
将来に向けて自分で目的を決め、この目的を実践するために
メンターからアドバイスを受けることで、より動きやすくすることと、
このモチベーションを持続するためにメンターによる
フォローアップをお願いすることに意味があります。
さて、この方法の場合、初期の目的そのものが
どんどん変化していくことがあります。
なぜならば、初期の目的を目指して行動をとった結果、新しい色々な
情報、知識が加わることで、自分の現在地点(立ち位置)も
進捗状況に従い、螺旋階段を昇るように変化し、
観えること・観えるものが違ってくるから、
目的を変えることに躊躇しなくなること、
また、目的が変わることが妥当と考えるようになるからです。
このような説明で少しはお解りいただけたでしょうか?
今日はここまでお読みいただきありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
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フィードバックとフィードフォワード