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立冬と「山茶始開(つばき/はじめて/ひらく)」

11月7日は「立冬」。寒い寒い冬になりました。

富士の山

背高く見ゆる

今朝の冬  (クマ:お粗末)

このところ、窓からすっきりとした富士山が見えることが多くなりました。
富士山の背が伸びた様に見えるのは、寒さのために、空気が清々しくなったためか?
今年はもう綿帽子を被っているので嬉しい富士山です。

上記の駄作に「今朝の冬」とあるのは、立冬の日の朝ということで、季語です。
これから益々富士さんが美しく見えることでしょう。
(綺麗な女の子のように呼んでしまいましたがホントに美しいのです。)

さて、昨日は、「立冬」でした。
冬となりました。

この立冬から来年2月の立春の前日までが冬ですが、一概に
一纏めとして冬と言うことはできません。
様々な顔を見せながら、冬が進んで行きます。

そして、七十二候では、第五十五候、「山茶始開(つばき/はじめて/ひらく)」ですが、
家の椿がもう大分前から、開いています。
「西王母(せいおうぼ)」と言う種類ですが、花が大きく、ピンクの色が華やかな椿です。
茶花としてよく使われていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

同じツバキ科に、今回の候となっている山茶花(さざんか)がありますが、
大きな違いは、山茶花の種類は、花が一片ずつ散るのに対して、
椿の種類は、花ごとポトッと落ちます。

(なかにはクマのようにへそ曲がりの花々もいまして、
サザンカの種類なのにポトリ。椿の種類なのにハラリ。)

これから3月ぐらいまで色んな種類のツバキが咲きます。
ご自分のまわりにどんなツバキが咲いているのかを
確かめて見られてはいかがでしょうか。
きっと思った以上の形に会えると思いますヨ。

<時候を表わす季語>
この時候は、やはり、「立冬(りっとう)」、「冬来る」が季語として相応しいでしょう。
また、冒頭でお話しました「今朝の冬」も立冬の日に感じ入る季語です。

更に、初冬のこの頃は、「時雨」と言う季語も
季節を感じさせてくれる言葉です。

雨の音を日の本の民は暑さ、寒さにおいて
聞き分け、言葉を作って見せました。

時雨の音をあなたはどんな音に聞こえてきますか?
クマは、この初冬の頃に急に降ってくる冷たい通り雨である
時雨にパラパラと言う音感を見つけました。

パラパラと

時雨るる 今日や

桃青忌 (クマ:お粗末)

 

芭蕉の「初しぐれ 猿も小蓑(こみの)を ほしげ也(なり)」とは
比べるのもおこがましいのですが、旧暦の10月12日が
松尾芭蕉の亡くなられた日で、現在の暦に直しますと

丁度この頃となりますので、クマも駄句を口走ってしまいました。
芭蕉が亡くなられたこの時期を季語として、
「芭蕉忌」、「桃青忌」、「芭蕉会」などと言います。
時雨を大いなる感性の言葉として紡いできた
芭蕉を忍ぶとともに季語としたのでしょう。

<時候を表わす色>

前候で金柑のお話をしました。
これから柑橘類が美味しい季節となってきますヨネ。
そこで今回は柑橘類に代表される色をお浚いしましょう。

皆さんは橘という木をご存知でしょうか?
この橘は、紀元前1世紀ごろ垂仁天皇が、田道間守(たぢまもり)と言う人に
不老不死の薬を探させました。

彼が、常世の国に往き、持ち帰った実が、
「非時香実(ときじくのかくのこのみ)」と言う実でした。

この実の花が、田道間花(たぢまはな)と言われ、
ここから転じて橘(たちばな)と謂われるようになったと聞いています。

柑橘類と言う漢字を見てもわかる通り、
橘は古来、ミカンのような柑橘類の総称でした。
これが後に、柑子蜜柑(こうじみかん)と呼ばれるようになります。
ここから「柑子色(こうじいろ)」が出て参ります。
明るい黄赤味がかった色です。

紀伊国屋文左衛門が命懸けで紀州(和歌山)から
江戸に運んだ紀州蜜柑はこの種類だったように
聞いたことがあります。

今、私たちがミカンの代表として口にしている
温州蜜柑は鹿児島で江戸時代に作られた新種ですが、
どうも江戸の武士たちには、甘いのはよいのだが、
種がないのは困るとされたようです。

比べて、紀州蜜柑は小ぶりで少し酸っぱいが、
何せ種があるから子孫繁栄にはもってこいと言うことと、
大嵐の中、紀文大尽が江戸のために運んでくれた男意気に
江戸っ子が我先にと買ったのでござんしょうカネ?

 

まあ、実際はその当時の江戸の風習であった鍛冶屋のお祭り、

「ふいご祭」で、鍛冶屋が屋根からミカンをばら撒くのに
どうしても蜜柑が必要だったと言うところでござんしょうガネ。
少し話が逸れたようで。

さて、この温州蜜柑の色は、柑子色よりも赤味がかった色で、
スーパーで目に入る鮮やかなミカン色を指します。
その名も「蜜柑色(みかんいろ)」。

そして、この色よりも赤みが強いのが、「橙色(だいだいいろ)」。
橙は冬を越しても2年も3年も実が木から落ちないことから、
縁起の良いものとして使われます。
例えば、この橙を正月に鏡餅の上に乗っけますので、
ご存知の方が多いのではないでしょうか?

今は、橙を乗っけないで蜜柑を乗っける方も多いと聞きますが、
ここはやはり、子孫繁栄を願い、「代々」家系が続くように
橙を乗っける方が宜しいかと思います。

「未完」ではどうも締り、いえいえ、始まりが悪うございますゆえ。

今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。

 

*上記の内容とは異なりますが、同じく日本の文化を大切に、周りの方々とともに生きていく。そして自分も活かす。

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