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七夕、小暑、温風至

おはようございます。

きょうは7月7日、七夕です。
そして二十四節気では「小暑(しょうしょ)」、

七十二候では、「温風至(あつかぜ/いたる)」。
ついこの前、夏至で昼が一番長いと言っていたのに、
なんか、夕暮れが早くなっていませんか?

さらに、これから「大暑」までが暑さを増してくる時期です。
田舎の富山では、この頃から、フェーン現象が起き始めます。
「暑いガイネ。」
「熱いちゃ!」
こんな言葉が飛び交う季節です。
まさに、フェーン現象に見られる熱風で乾いた

風のイメージです。
熱風とは書かず温風と書いた古人の気持ちは

どんなであったのでしょうか?

 

字に魂が宿ると考え、少しでも涼しく感じようと、

熱を温に変えたのでしょうか

このように暑い日々がこれから訪れるのですネ。

だけど、今日は雨? それとも晴れ?
と実に天候が気になって仕方ありません。
だって、明日は、織姫と彦星(牽牛)の

年に一度の逢瀬です。
天空を見上げれば、サラサラと流れる

天の川を挟んで、織姫と彦星の年に一度の出会い。
2人はどんな気持ちで明日の日を

待っているのでしょうか?
雨が降ってしまうと、天の川が氾濫を起こし、

会えなくなってしまうカモ。

 

こんな風に2人の仲を裂くように降る雨を、

「催涙雨(さいるいう)」と言うのだそうです。
尤も、地上に雨が降ろうと槍が降ろうとも、
天上界には影響はないですケド。
それでも、「この長い1年間を2人はどんな気持ちで

明日の日を待っているのでしょうか?」とお2人の

心情をご自分の身の上に重ねているあなた。

 

天上界の時間の流れは、人間界と違っていますので、
彼らにすれば、ちょっと料理を作るから、
ビールでも飲んで待ってて。
こんなぐらいの時間の経過カモ。

 

なんて、野暮なことを言うクマさんなんて、

大っ嫌いなどと言う声があちこちから聞こえそうデス。
クワバラ、桑原。

 

天の川

穏やかなりや

豊悦日  (クマ:お粗末)

 

先程、逢瀬って言いましたけれど、「おうせ」っていう

言葉を知っている人も少なくなったでしょうネ。

何か、甘美な言葉です。

さて、「七夕」と今は書きますが、
昔は「棚機(たなばた)」と書きました。

 

織姫はお蚕さんの守り神でもあります。

お蚕から作る糸を紡ぎ着物を作ることから、
織姫のように裁縫が上手くなるようにとの
願いを込めた女の子の節供が「七夕」です。

そしてその織姫が愛した牽牛、牛飼いの青年。
仏教では、牛飼いの話がよく出てきます。
お釈迦さまが苦行の末、悟りをひらいたとき、
牛飼いの少女から牛の乳を飲んでいます。
所謂、「スジャータ」からの贈りものです。
今は、牛乳はカルシウムを補うものとして、
一般に飲んでいますが、当時、苦行の身の
修行者が絶対に口にしないものです。

また禅の教えに、『十牛図』と言う

話が出てきます。
人が真の自分を探し求め、精進し、悟りを得て、

最後に大衆に感化する話ですが、

その自分の真の姿を牛に喩えます。

牛飼いとは、自分の真のこころを

探し求める人間なのでしょう。

このように見てきますと、織姫と牽牛は、

生産性と精神性の両方を併せ持つことが、

人間の求める方向であることの

喩えのようにも聞こえてきませんか?

ええっと、明日は天の川だけに、落ちては困ります。
あまりに酷い落ちなので、天の川が心配です。

目次

人との出会い

閑話休題、
織姫と牽牛にも言えますが、出会いって

言うのは大切ですよネ



さて、何らかの縁で、その瞬間、その場所で、会う。
それまで、一度も会ったことのない人たちが、

会った瞬間からつながり、「仲間」になる。



これを「一期一会」と言いますが、

「自分と出会う」場合も

一期一会と考えられます。



自分自身が毎日変化しているのです。

この毎日変化している自分をどのように捉えるのか。
 

過ぎ去る自分、過去の自分に拘らず、

一瞬一瞬のうちに自分を捨て去る潔さと

勇気を持ちたいものです。
 

この自分に対する真摯さがあって初めて、

他者に対しての「一期一会」があるのです。


皆さん、「イチゴイチエ」を楽しんでいますか?

どなたですか? 
 

「イチゴイチエ」があるのならば、

「リンゴイチエは?」「ナシイチエは?」と仰っているのは?
 

リンゴやナシはイチエではなく、九会です。

リンゴ喰え、梨喰え。


人との出会いは一期一会の気持ちを持って、

9回会って(何度もあって)初めて少しは

理解できるものですから、一目見てこの人は

ダメなどと烙印を押さずゆっくりと見てみましょう。
 

<時候を表わす季語>

暑い夏。
これを少しでも涼やかにしようと軒先に

「風鈴(ふうりん)」を吊るしました。
 
暑いはずです。
風ひとつない日です。
 
あまりの暑さにその風鈴を悪戯に指で動かしました。
チリーン。
 
それだけのことなのですが、クマのまわりに

サッと涼しげな風が通ったようです。



   風鈴の ひと鳴り

       涼し 風さそふ (クマ:お粗末)


また、凛と真っ直ぐに伸びた白や薄紅色の

「立葵(たちあおい)」をご存知の方も

多いのではないでしょうか。
 

立葵は、どんどん背丈を伸ばしながら、

大輪の花をより高い処に咲かせようと

しているかのように見えます。
 

我々の背丈ほどに伸びるのですが、グニャッと

曲がった立葵を見たことがありません。



どれも凛と真っ直ぐに立っているのです。
クマも見習わなくっちゃ、と思うこの頃です。


    背伸びして

       高さ競うや

             立葵  (クマ:お粗末)

<時候を表わす色>

立葵のように背の高さを誇る花にヒマワリがあります。
熱い太陽の陽をそのままに全身に受けたかのような

ヒマワリの黄色を「向日葵色(ひまわりいろ)」と言います。

この色は日本では比較的新しい色で、明治時代になって、

英名のサン・フラワーを訳して使われたものです。

さて、この向日葵色はヒマワリの芯の色ですヨネ。
花びらはもっと「黄色」となります。

あなたはゴッホの『ひまわり』を見て何を感じますか? 

ある人は古(いにしえ)の日本人と同じく

狂気と忌みを感じました。
 

ある人は、現代の我々と同じく元気を感じました。
歴史を通しますと、黄色は、昔、中国の

皇帝の色として使われました。
 
これは「陰陽五行」では国の土台となる土が

万物の根源と見られ、
これを表わす色が黄色だからでしょう。
 
しかし、なぜ、黄色が土を表わしているかですか・・・? 
 
黄と言う漢字は、光るという字と田という字から

できているそうです。

つまり、生きるための米を育てるための

光と土から黄色=土と観たのではないでしょうか。

さあ、暑い日ですが、明日の夜は天の川を眺め、

クマ女と刺しつ射されつ。
もとい、さしつさされつ

ササでもいただきやしょう。

今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。
クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。



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