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今、大切に掴んでいるものを離してみる

おはようございます。
何をするにおいても、自分の現状を
把握することが大切。

このことは、どなたも理解していらっしゃるのですが、
案外とご自分の現状を、ご自分では気が付いていない
ことが多いのではないでしょうか?

多くのクライアントに現状を明確にしていただいて
参りましたが、この現状を明確に把握することの
難しさをますます感じています。

しかしながら、ご自分で現状をしっかりと
捉えなければ、いくらご自分が変わろうとしても、
なかなか身体も頭も動かないものなのです。

さて、こんなクライアントがおられます。
M社長との会話です。

「クマさん、忙しくて忙しくて、また、
新規事業の立ち上げをやんなきゃいけないん
だけど、時間がないんだよ」

「時間がないんですか」

「どうしたらいいんだろうね」

「1日を48時間にできないと思いますが、
M社長の今の時間配分をお聞きしてもいいですか」

「時間配分ねえ・・。今も3つ、4つのプロジェクトを
同時に抱えているから、スタッフが案件の進捗状況を
持ってくる毎に打ち合わせとか現場視察に充てているな」

「そうすると、Mさんは社員のスケジュールに
合わせているんですか?」

「いや、そういうわけじゃあないけど・・、
実際はそうだよね」

こんな状況でした。
さて、皆さんだったらこんな状況をどうしますか?

 

目次

現状を整理する

このM社長、一代でここまできた方ですから、
決断力もあり、実行力もあり、社員を思う気持ちも
強く、社員からの信頼がとても厚い方です。

このMさんに、こんな質問をしました。

このときは、「現状を整理してもらう」ために、
「ご自分の姿を鏡に映して観てください」
と言う質問をしました。

「Mさん、鏡が目の前にあると想像してください。
今、3つも4つもプロジェクトを抱えている
Mさんの姿ってどんな風に見えますか?」

しばらく、目を瞑っていたMさん。

「大きな袋を両手に抱えているだけじゃなく、
首にも、腰にも袋がぶら下がってて、
なんかかっこ悪いね」

ここでリクエストしました。

掴んでいるものを離してみる?

「掴んでいるものを離してみるのはいかがですか?」

「えっ、離すの? ・・?」

「軽くなりますよ!」

「3、2、1 ほら!」



「どうですか?」

「面白いね。身体が軽くなり空中に浮かんだら、
持ってた袋の中身がさっきよりはっきり観えてきた」



「他に気づいたことはありませんか?」

「離した袋は、もう社員に任せても充分やっていける
かも知れないと思えてきた」

実際には、こんな2,3分でここまできた
わけじゃありませんが、
M社長はこの後、いつもこの「掴んでいるものを離す」
実験をなさっています。

あなたも一度、掴んでいるものを
離してみてはいかがでしょう。

このときのわたしの質問は、
鏡に映るご自分を想像してもらうと
言う質問でした。

これは、現状を明確に理解していただく
ための質問でした。

結果として「掴んでいるものを離す。」と
言う視点に辿りつきました。

訊く(質問する)言葉は、相手によって、
また、相手の状況によって異なってきます。

例えば、「相手に現状をしっかりと整理してもらう、
現状を掴んでもらう」と言う観点から、質問をする
場合でも、社員とこの社長のよう信頼関係が確立している
ときと、まったく信頼関係が構築されていない場合では、
同じ鏡を使った質問でも違ってくるんじゃないでしょうか。

M社長は、既に心の中では、部下たちに権限委譲をしても
良い時期だと思っておられたのを、セッション中の会話
から汲み取ることができたので、「即、荷物を手放す!」
と言うリクエストに繋がりましたが、現状が異なる
場合は、それぞれの現状の事実を活かす質問 
が必要になります。

クマこと高柳昌人(向龍昇人)でした。
今日はここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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